携帯【特別企画】 FOMA VS SoftBank3G 品質対決? in 東京都内携帯(1/5)

 MNPが開始されてから間もなく10ヶ月となります。各報道機関で「独り負け」と言われているNTTドコモ、転入が100万を突破した絶好調なauブランド、そしてホワイトプランで価格破壊を行ったソフトバンクモバイル。実際にMNPでの移動は各社予想よりも少なかったそうですが、ネットワーク品質の向上など、かつてないほどに頑張っていると思います。

 さて、「お客様満足度No.1」と豪語するKDDI。auは特に電波・繋がりやすさで、たくさんの顧客の支持を集めています。しかし実際にはどうなのでしょうか?確かにauの電波の良さには目を見張るものがあります。NTTドコモの中村社長は先日行われた株主総会で次のように述べています。

 「FOMAの通話エリアの印象が払拭できなかった。第3世代をスタートして6年が経過したが、最初のネットワーク環境がひどかったこともあり、なかなか信頼いただけなかったと思う。」

 どうもこの発言からすると、『FOMAのエリアは問題のないレベルに達している。』と言いたいようです。


基地局(アンテナ)数から見る努力の跡 基地局(アンテナ)数から見る努力の跡

 表1. 各事業者の基地局数と人口カバー率 (総務省発表2007年8月18日末時点での基地局免許数)

  旧800MHz帯 新800MHz帯 1.7GHz帯 2.0GHz帯 合計基地局数 2007年度予定数 人口カバー率
NTTドコモ(FOMA) 9,303 360 40,440 50,103 57,000 100
ソフトバンクモバイル(3G) 33,450 33,450 不明 99.97
KDDI(au) 17,122 245 5,689 23,056 不明 99.99(非公開)

※1 旧800MHz帯は使用期限が2012年7月24日までとなっています。
※2 ソフトバンク3Gの基地局数には、ブースタ・リピータ・ホームアンテナなどの中継装置は含まれておりません。
※3 auの人口カバー率は推測値であり、財務・事業データで公表されておりません。

 見てお分かりの通り、FOMAの基地局数は上記の時点で約47,700局と、どの事業者よりも多くなっているようです。昨年度にNTTドコモが投資した設備投資費用は約9,300億円。今年度もさらに7,500億円を投資する予定になっています。ソフトバンクモバイルも予定よりかなり遅れているものの、上半期中には46,000局を達成したいと意気込んでいます。数字だけを見れば、努力どころかここまでくると意地すら感じてしまいます。少なくともFOMAに関しては、かなりのネットワーク品質に達しているのではないでしょうか。


数え切れない苦悩の数々 数え切れない苦悩の数々

 <2GHz帯の苦悩>

 auは現在、旧800MHz帯への投資を終え、2GHz帯や新800MHz帯への移行が進もうとしています。もともとauが少ない基地局で広く品質の高いエリアを展開しているのには、周波数が大きく関係しているとしか言いようがありません。

 以前東京駅でこのような体験をしたことがあります。
 ご存じの通り、東京駅の構内には屋内向けの基地局が数多く張り巡らされています。(別に東京駅に限ったことではありませんが…。)天井に一定の間隔であるので、調べてみても良いかもしれません。当然、東京駅もそれらのお陰でエリア化されているわけです。ある日、東京駅にあるカフェに入りました。入り口付近では当然のようにFOMAのアンテナ表示が3本でした。レジで注文を終え、少し奥にある席に座ってケータイを開いたときの驚きは今でも忘れられません。

BECK'S_COFFEE_SHOP [NTT_docomoからの要請を受け削除]
写真1. 東京駅構内にあるカフェ 写真2. [ドコモからの要請により検閲削除]に設置されたFOMAの屋内向けアンテナ

 圏外でした。
 (ちなみにこの後NTTドコモに報告したところ、[ドコモからの要請により検閲削除]に新しいアンテナが設置され、改善されていました。

 周波数は高くなればなるほど直進性が高くなり、距離に対する減衰も大きくなります。FOMAやSoftBank3Gが主に使っている2GHz帯と、auが主に使っている800MHz帯。単純計算で2.5倍、auの方が回り込んだ場所に届きやすい電波を使っていることになります。当然のことながら、FOMAやSoftBank3Gの基地局は、auよりも数を多く打たなければいけません。(ただしauも今後は2GHz帯をメインに使用しなければなりません。)

 些細な障害物の影響を受けやすい。トイレの中で、地下通路で、カラオケの個室の中で…。数えたらキリがありません。これが長年の課題でした。

 <W-CDMA方式の苦悩>

 世界で初めてW-CDMA方式の商用サービスを開始したのは、他ならぬNTTドコモです。国際標準団体である3GPPでも、当時はまだW-CDMAの仕様が確定しておらず、メーカも開発にはかなりの苦労をしたと聞きます。(ちなみに先走った結果、2004年までFOMAは国際標準仕様と互換性がありませんでした。)さらに、NTTドコモ自身、KDDIとは違ってCDMA方式に対するノウハウが無いに等しく、エリアの設計やLSIの設計なども手探りだったはずです。当時のJ-PHONE(現:ソフトバンクモバイル)がサービスの開始を2度に渡って延期させたのも、3GPPでW-CDMA方式のバージョンアップが繰り返されたという理由の他に、開発が予想以上に困難だったということが影響したのではないでしょうか。また、LSIを開発していた東芝は当時、次のように述べています。

 「今はまだベースバンド(通信を制御する)チップの消費電力が、初代のペンティアムくらいある。

 NECとパナソニックモバイルコミュニケーションズ、富士通と三菱電機が相次いで提携したことも、なんだか納得できるような気がします。


こっちも本気でエリア調査! こっちも本気でエリア調査!

 タイトルでは、同じ2GHz帯をメインに使っているFOMAとSoftBank3Gのエリア対決を行うように見えますが、実際は少々違います。auと比べ、ほぼ同じ不利な条件の元頑張ってきた2社は、今現在エリア品質でどれほどまでになったのでしょうか。それを知りたいのです。比較することでお互いを高め合うことにも、「打倒、絶好調なau!」にもつながるはずです。

 <調査エリア>

 今回調査する場所を決めるにあたって、「東京都内の方が面白いのでは?」と思いました。高層ビルが乱立していて、かつ加入者も多く、多くの基地局を微妙な配置とチューニングで設置しなければならないからです。よって、次の場所を調べてみることにしました。

 ・山手線、埼京線などの主要な路線
 ・超高層ビルの上階付近、屋上などの電波が届かなさそうな場所
 ・ビルの屋上など、たくさんの基地局からの電波が干渉しそうな場所
 ・屋内向け基地局装置がなさそうな、閉鎖的な場所

 このような場所を調査することにしましょう。

 <実験機器>

 表2. 実験機器一覧

  機種名 メーカ 対応方式(対応周波数)
NTTドコモ(FOMA) F703i 富士通 W-CDMA(800/1,700/2,000)
ソフトバンクモバイル(3G) 705NK(N73) NOKIA W-CDMA(2,000)/GSM(850/900/1,800/1,900)
KDDI(au) A5512CA カシオ計算機 CDMA2000(800)

次へ
次へ


Copyright © 富山第一高校-Tomiichi.com. 2005-2008 All Rights Reserved.